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2016

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

CHEF / 2014年 / アメリカ / 監督:ジョン・ファヴロー / ドラマ、コメディ
クリップボード02 
芸術性と大衆性の狭間で。
【あらすじ】
レストランを首になったので、自分の味にこだわったフードトラックを始めます。


【感想】
「シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~」というジャン・レノが出演しているコメディもありましたね。

ロサンゼルスの一流フランス料理店の総料理長カール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)。保守的なメニューにこだわるオーナー(ダスティン・ホフマン)と対立し店を辞めてしまう。失業中、マイアミで絶品のキューバサンドイッチと出会い、フードトラックで売ることを思いつく。マイアミからロサンゼルスまで、移動販売を息子に手伝ってもらううちに二人の絆も深まっていく。

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「アイアンマン」「アイアンマン2」を監督したジョン・ファヴローが監督・主演を務めています。一流料理店より屋台で自分の納得した物を売る方がいい、というのは芸術性と大衆性の話なのかなと思いました。

アイアンマンシリーズが大衆性の象徴のような作品だし、ジョン・ファヴローは「アイアンマン3」の監督を断ってこの作品を撮っている。アイアンマン撮ってたとき、いろいろあったのかなあ。批評家に叩かれたり。などと。この作品、批評家への敵意がなかなかのものなので。

オーナーとの対立場面はオーナーがちょっとかわいそうに見えた。批評家が来るから新メニューを出したいと主張するカール、対してオーナーは「ストーンズのライブに行って『サティスファクション』が演奏されなかったら、お客さんはどう思う?」と今までのメニューにこだわる。カールの言い分はわかるもののオーナーの言い分ももっともなのだ。あと、急になんの断りもなく新メニュー出そうとするカールさんも、問題だと思いますよ。なぜ事前に話し合わんのか。

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カールさんは、かなり短気。ツイッターで批評家を罵倒して、さっそく炎上という。今や炎上自体は問題じゃなくて、炎上してもどんどん話題を提供し続けるのがツイッターの正しい使い方なのでしょう。主義主張の正しさなどどうでもよくて、話題に上り続けること自体が重要なのだ。

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大衆性と芸術性の話に戻るけど、映画や小説はある程度の数を鑑賞してようやく理解できる作品というのがある。作品の質を追求するあまり、理解者が少なくなることはよくある。でも、料理というのはどうなのだろう。どれだけ前衛的かつ芸術的作品であっても、結局うまくなければ駄目なように思うのだけど。そこらへんがよくわからんというか。

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子供や元同僚(ジョン・レグイザモ、左)と商売する様子は楽しそうでよかったですね。なによりサンドイッチが本当に美味しそうでいい。それと、カールが太ってるのがいいのかなあ。「あれだけ太っているのは、自分の作る料理が美味すぎて食欲を抑えきれないからだ」と思ってしまう。太っている人への偏見だろうか。カールの包丁さばきも見事ですよ。

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離婚した元奥さん(ソフィア・ベルガラ)がやたらにスタイルが良いのだった。

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フードトラックは繁盛し、批評家とも和解。彼の出資する店で料理長を務めることになる。気になるのは、店の開店パーティーに前の店のオーナーが呼ばれてないんですよねえ。やはり和解できなかったのだろうか。ここで和解しないという意味は、大衆性だけを追い求めることについてジョン・ファヴローは賛成しかねるという主張なのでしょうか。

この映画自体は、芸術性の追求について描きつつも大衆性も程よく折衷した映画に見える。ジョン・ファヴローの目指す理想の作品というのは、どこらへんにあるのだろうか。興味深い作品でした。親子の絆が深まっていくロードムービーとしても楽しめる作品です。

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2 Comments

かくこ  

昔、ディナーラッシュという映画で、息子が批評家向けに作る斬新な料理より、そのレストランのオーナーであるところの父親が食べている、家庭イタリアン料理のが何倍も美味しそうだったことを思い出しました。

とは言え、三ツ星レストランで斬新な料理を食べる機会がないからホンモノはどんなかわからんけど。

2016/04/24 (Sun) 14:11 | EDIT | REPLY |   

しゅん  

No title

あれー、ディナーラッシュってどんな映画だっけね。
なんだかものすごい忙しかったような‥‥。
ディナーの時間帯はラッシュのような。そんなやつですよね。ね!

まったく憶えてない。

まあとにかく料理映画は、料理が美味しく見えれば嬉しいですねえ。この映画も、サブウェイとかドトールで売ってそうなサンドイッチが出てきますが、本当に美味しそうでしたよ。我々のように三ツ星しか行かない人間にとって、たまには下々の味も良いのではないでしょうか。


観るのないようでしたら「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はどうでしょうか。有名だからもう観てるかもしれませんが。他には「チョコレート・ドーナツ」「画皮 あやかしの恋」あたりが良かったです。

あと「ブリングリング」という、なかなか奇妙な映画もいいのですが、これ観ると不快になりそうですしねえ。

2016/04/25 (Mon) 23:50 | EDIT | REPLY |   

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