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2016

ザ・レイド GOKUDO

THE RAID2:BERANDAL / 2014年 / インドネシア、アメリカ / 監督:ギャレス・エヴァンス / アクション
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ちっさいおっさん大活躍! GOKUDOは特に活躍しません‥‥。
【あらすじ】
悪の組織に潜入捜査します。


【感想】
前作「ザ・レイド」は2時間ずーっとビルに引きこもりっぱなしのアクション映画でした。前作も面白かったですが「ザ・レイド GOKUDO」は更にパワーアップして帰ってまいりました。タイトルのGOKUDOは、まったく活躍しないんだけども。原題の「BERANDAL」の意味は「ならず者」という意味だそうです。もう、油断するとすぐに変な邦題つけるんだから‥‥。

潜入捜査物にハズレは少ない気がする。「インファナル・アフェア」「フェイク」などすばらしい作品がある。「ワイルド・スピード」も潜入捜査でしたね。この作品もすばらしいですよ。

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マフィアへの潜入捜査を命じられた警官ラマ(イコ・ウワイス)。上司が無茶苦茶な人でして「実際に傷害事件を起こして刑務所に服役せよ、所内で服役しているマフィアのウチョと接触し信頼を獲得しろ」という命令がくだるのです。そんなバカな。前科つくではないか。ウルトラブラック企業である。警察だけども。バカバカしい、ぼかぁ帰るよ! などと言わないところがラマの偉いところ。ちゃんと暴力事件を起こして服役するのだった。仕事命のやりすぎボーイよ。

刑務所の中は例によって無法地帯。トイレでの二十人ぐらいとの乱闘は滅茶苦茶すぎて笑ってしまう。足元がぬかるむ泥の中の戦いは、みんなやたらにすっころぶ。オールスター感謝祭のローション相撲を彷彿とさせる。トイレや車の格闘場面では真上から撮影されていて、見せ方も変わっている。車は、屋根を取り外した車両を作ったのかな。

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監督は戦いに奇妙な場所を選ぶのが上手くて、戦闘を効果的に盛り上げている。才能溢れてますなあ。そして脇役たちの見せ方がいい。それぞれに十分な見せ場があり、各自が使う凶器も面白い。

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金属バットが凶器のホームランボーイ。玉を打って、相手に当てたりもできます。プロ野球に行け。バットを振り回す殺陣は迫力がすごい。

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ホームランボーイと兄弟のカナヅチ二刀流姉さん。これ本当に危険ですよ。兄弟対ラマの2対1の対決は見応えがあった。

そして前作にも出ておりました、やたら動きのいいちっさいおっさん。組織の古参の殺し屋プラコソ(ヤヤン・ルヒアン)。前作とは別人の役ですが、二作に渡って登場。主人公と絡まない、この人だけの殺陣が二カ所も用意されている。監督に愛されてるなあ。

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ちょっとホームレスっぽく見えるのに、高級レストランで別れた美人の奥さんとご飯を食べたり、なんだかよくわからん人。そんでえらく強い。散り際も良かった。雪上の足跡に真っ赤な血が溜まっていく様子が美しい。

監督はちっさいおっさんが大好きで、裏ビデオ工場の男も小さいですし、プラコソを始末したキラーマスター(セセプ・アリフ・ラーマン、右)も小さい。みんな動きもいいし達人揃い。筋肉がすごくていかにも強そうな人たちじゃなくて、普通に見えて強いというのが面白いですね。キラーマスターとラマが戦いを始める際、間合いをじりじりと詰めるのですが、そこからワクワクしてしまう。

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カランビットナイフという半月型の変わったナイフを使います。まあ、痛そうなこと。全員キャラが立ってますねえ。

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黒幕の七三も実によろしいですよ。子分(後ろ)もボスと同じ感じのグラサンをかけてまして、髪型も似せている。憧れてんのかな。ボス、そんなにかっこよくないぞ。このちょっとした笑いがいいですね。

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ラマが刑務所内で近づいたウチョ(アリフィン・プトラ)。マフィアのボスの息子だが父親から信頼を得られず屈折している。ラマとの友情もある。刑務所内で助けてもらった恩を忘れず、ラマが出所したのち組織に迎え入れる。粗暴な一面を持つが、どこか憎めない。悪役を単なる悪役にせず、きちんと魅力的に描いているのがいい。

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ウチョの父親で地元マフィアのボスであるバングン。この人もよかったですねえ。穏健派で知性的、でも締めるところは締める。ラマにも目をかけてくれる。

ヤクザとの抗争を避けようと後藤組の組長ゴトウ(遠藤憲一)たちと話し合いを持つ。で、バングンはとても優秀で日本語も堪能という設定なのですが、困ったことに映画内のバングンの日本語は滅茶苦茶なんですよ。宇宙人の言葉である。その滅茶苦茶な日本語を完全に理解して、遠藤憲一がさらっと次のセリフを言うので笑ってしまった。通じたのか、今のでという。

日本人が三人出ているので「GOKUDO」という邦題を付けたのだろうけど、ヤクザとの対決はまったくない。どうしてもタイトルから期待してしまい残念でした。

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なんといってもシラットの達人であるラマのアクションがすばらしい。刑務所内でコンクリートの壁を打つ場面がある。壁を激しく拳や肘で叩くだけですが、こんな素朴な動作で十分惹きつけられてしまう。速さもすばらしいのですが拳が心配になる。あんなことやって本当に大丈夫だろうか? という場面が目白押し。走行中の車のドアが開き、上半身が地面スレスレで、地面に頭がこすれるところとか。もう、痛い痛い痛い! 死人が出てもおかしくない迫力なのです。

セリフは必要最小限。シナリオも捻ってあって良かったですね。血が噴き出たり、関節があらぬ方向に折れたり、過激な描写があります。耐性がある方には是非お勧めです。なかなかない出来のすばらしいアクション映画でした。


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