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2016

裏切りの獣たち

iNUMBER NUMBER / 2013年 / 南アフリカ / 監督:ドノヴァン・マーシュ / 犯罪
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集められた凶悪強盗犯たち。ただし、全員バカです。どうしよう。
【あらすじ】
真面目に潜入捜査をしても報酬がもらえないので、強盗のお金をくすねることにしました。



【感想】
「犯罪都市ヨハネスブルグ 一日の強盗事件発生件数150件以上(外務省 海外安全ホームページ)」という仰々しい文字から始まる予告編。まだまだ治安が悪いのでしょう。しかし、そこで暮らす人もいるのだから「犯罪都市」という書き方は失礼かもなあ。

潜入捜査官チリ(スドゥモ・ムチャーリ)は、2年もの時間をかけた潜入捜査の結果、命がけで犯人を逮捕する。報奨金をもらおうと、相棒のシューズと共に意気揚々と上司の元へ向かうチリ。だが、上司は報奨金の支払先の欄に「俺の名前を書け」などと言い、報奨金を支払おうとしない。

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上司のあまりに勝手な言い草に怒り心頭のチリさん。「俺、金が入ると思ったんで新しい携帯電話買っちゃったよお!」ということで金に困ります。無計画な人だな。「金、入ってから買えよ」と相棒のシューズに言われていたが、本当にそうだよ。

チリは、潜入捜査の際に知り合った犯罪者が強盗を企てていることを知る。金に困ったチリは、この一味に加わり強盗を行い、その儲けをぶんどろうと考える。おまえ、それは警官の発想じゃないぞ‥‥。執拗に相棒のシューズを誘うが怒られます。当たり前だ。

シューズさん(椅子に座っている男、真ん中)は、まともな人なのでチリの強盗をとめようとやってきて捕まってしまう。かわいそうにねえ。あちゃー、と思い立ち尽くすチリ(背中から哀愁を漂わせている男、右)。おまえのせいだぞ。

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この映画で面白かったのは、まともな人ほど割を食っていること。チリの強盗をとめようとしたシューズもそうだし、現金輸送車の警備員もそうである。この警備員は、あまり重要な役じゃないのですが、かなり時間をつかって「俺はこの仕事に誇りを持っている」と責任を果たすことの大切さを説いている。

でも、同僚の警備員には裏切られるし、あっさりと強盗犯に殺されてしまう。シューズにしろ、警備員にしろ、まともな人ほどひどい目に遭うという皮肉なのだろうか。

そんで強盗犯チームなのですが、いやあ、いいメンツを集めましたねえ。誰も彼も問題ありでねえ。特に組織のナンバー2(田中要次似、真ん中)が実にいいキャラなんです。気が短くて、すぐに誰かを撃ちたがる。バカすぎてボスにあんまり信用されていないというのがかわいそう。でも、野生の勘で裏切者(チリ)が紛れていることを察知するのだ。バカ恐るべし!

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警官であるシューズをすぐに処刑したがるナンバー2だが、ボス(ガマガエル似、右)に止められる。

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ボスはなぜかナンバー2ではなく、チリの言うことをよく聞いてくれる。チリの「人質は利用できる」という意見を聞き、シューズはひとまず監禁される。ナンバー2さんは、挨拶代わりに撃ちたがるからなあ。

裏切者を探すくだりが面白かったです。シューズの携帯電話をとりあげて、発信履歴から一人ずつ連絡していくという。チリは自分の携帯がいつ鳴るかと焦るのだが、その前にシューズの携帯電話の電池が切れてしまい助かる。そこで裏切者捜しはうやむやになってしまう。いやいやいやいや、こんな重大なことをほったらかしにするとは。充電器を買ってきて裏切者見つけたほうがいいぞと思うのだけど、なぜかそうはならない。

チリは「裏切者はこの中じゃなくて、手引きしてくれる警備員では?」と誘導する。ボスはなんの根拠もないのに「そうだ! あいつは昨日会ったときによそよそしかったからな! あいつを殺そう」となってしまう。バカなのか。

全体的に犯人が抜けてまして、それは実はリアルなのかもしれない。犯罪映画ではすみやかに強盗を行なう場面がありますが、実際そううまくいかないのだろう。みんな気が短いだろうし。

待ち伏せをしてる間にケンカになって相手を撃ち殺したり、車がボロすぎてエンジンがかからなかったり、現金輸送車の扉を爆破しようとしたけど爆破装置のコードをどう繋いだらいいかわからないなど。ドジっ子が集合しておりますね。

優秀な人間が集まる犯罪映画が好きなのですが、全員ちょっとアレな人というのも珍しい。ちょっと変わった犯罪映画でした。

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