06
2016

新幹線大爆破

1975年 / 日本 / 監督:佐藤純弥 / パニック、サスペンス
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そりゃ、国鉄も怒りますよ。
【あらすじ】
新幹線に爆弾を仕掛けたぞ。15億円よこせ。



【感想】
時速80キロを下回ると列車が爆発する。「スピード」の前にこの設定で撮られた映画があったんですね。邦画としては珍しい大がかりなパニック映画です。いいですねえ。1975年の作品ですが、時代の移り変わりを感じさせますよ。JRはまだ国鉄。蒸気機関車も走っている。ホームで万歳をする人たち。1ドルは300円。公衆電話による脅迫。集団就職。売血。学生運動。記者会見での新聞記者の攻撃的態度。「一銭もいらない」という死語。すべてが懐かしいのです。というか、生まれてなかった。

町工場を倒産させてしまい、家族とも別れることになった沖田哲男(高倉健、右)。集団就職で上京するも勤め先が倒産し、売血して飢えを凌いでいた男。学生運動に挫折した男。高度経済成長期の豊かさから取り残された男たちが、高度経済成長の象徴ともいえる新幹線に爆弾を仕掛けることを思いつく。

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犯人たちが動機を語る場面があるが、高倉健の「ブラジルに行ってみたい」が意味不明で笑ってしまった。倒産や家族のこと、社会から取り残された孤独感みたいなのを挙げず「ブラジル」とわけのわからないことを言ったのが面白い。自分の悲惨な境遇を持ち出して正当化しないところに潔さを感じます。わたしも、何かやらかしたら「ブラジル」と言ってみよう。

映画「予言」で鬼形礼を演じた山本圭さんが犯人の一人として出ております。思想犯らしく、金のことはどうでもよくて、とにかくこの事件をやり遂げたいという。学生運動中、仲間に裏切られての挫折があったことから、何か大きなことを成し遂げたかったのだろう。でも何か大きなことって、脅迫事件なのか‥‥。

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こちら脅迫される側。爆弾が仕掛けられたひかり109号に指示を出す倉持運転指令室長(宇津井健、中)。毅然とした対応がかっこいいですねえ。国鉄上層部、現場の運転士との板挟みになる中間管理職の悲哀。結果はさておき、乗客を見殺しにした自責の念から辞職を決意する責任感にしびれます。

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ひかり109号の運転士には千葉真一が。とにかく指令室の宇津井健に怒ってましたねえ。怒りまくりながら職務をまっとう。立派。

犯人、国鉄、警察、三つ巴の緊迫した攻防がみられる。

あと、気になったのが暴力的なところ。当時の刑事ドラマの影響なのでしょうか。警察が特に乱暴。交通事故を起こした犯人(頭から大量出血)を刑事が揺さぶって起こしたり。逃走する犯人をいきなり撃ったり。死んだら手掛かりはどうするんだ‥‥。警察の行き当たりばったり感がすごい。撃ってから考える。まずはためしに撃ってみよう。話はそれからだ。

新幹線の乗客で妊婦がいる。パニック状態になった彼女をビンタして落ち着かせる場面があるが、そのビンタがすさまじい。脳震盪起こすんじゃないかってぐらいの全力ビンタなんですよ。加減を知らない。この昭和の荒々しさよ。面白いなあ。

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キャストが本当に豪華で、ちょっとした役に田中邦衛(右)が出ています。志村喬も国鉄総裁の役で少し出てましたね。

ウィキぺディアを見たら、興味深いエピソードも。当時、国鉄が撮影に協力してくれず、東映の岡田社長が「(新幹線内部の)隠し撮りとミニチュア撮影の合成で行け」と命じたのがすごい。企業のトップが盗撮を命じるという。どうかしている。たまりません! 東映はこれによって国鉄から3年間出入り禁止になったという。

予告編からもう熱い。字が大きすぎる。あまりにすてきなので、たくさんキャプチャした。何かに使えないかしら。

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特に好きなのがこの「爆弾時代 -1975-」である。「1975年といえば?」と訊かれたら「爆弾時代」と即答する。「集団発狂」もすばらしいですね。

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「死の旅へ一直線!」そりゃ、国鉄から出入り禁止もくらうわ。

過剰な熱量のサスペンス。昭和の熱気が蘇る感じがしました。そして、高倉健の情の厚さがやはりいい。

そういえば、乗客の中に四菱物産の商社マンがいる。明らかに三菱物産のパロディですが、この商社マンが車掌にお金をつかませて新幹線を停めようとする。当時、商社ってそういうイメージだったのかな。昭和とのギャップも面白い作品でした。


amazonプライムにもありました。
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