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2016

恋するリベラーチェ

Behind the Candelabra / 2013年 / アメリカ / 監督:スティーヴン・ソダーバーグ / 実在の人物を基にした映画、同性愛
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すべてを手にしても満たされない孤独感。
【あらすじ】
人気歌手の愛人になりました。


【感想】
原題のcandelabraは、枝付き燭台の意味。リベラーチェ(マイケル・ダグラス)が演奏時、ピアノに燭台を置いていたことから。

華やかな燭台の裏にあるリベラーチェの私生活のお話。

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1977年、アメリカ。すばらしい演奏、軽妙な話術、派手な演出で人気を博すエンターテイナーのリベラーチェ。獣医を目指していた10代の青年スコット・ソーソン(マット・デイモン、右)は、リベラーチェのショーの虜になる。二人はすぐに意気投合。リベラーチェはソーソンに、自分の家で暮らすよう提案する。

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リベラーチェはゲイなんですね。当時はゲイに対する風当たりが強く、彼は自分がゲイだということを隠してショーに出演している。本心を明かせないというのもリベラーチェの孤独感に拍車を掛けたのかもしれない。当時、リベラーチェには恋人がいたものの、恋人を追い出してソーソンを迎え入れる。この時点で、ちょっとソーソンの今後が予測できますね‥‥。

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人に囲われて生きるというのはどんな気分なのだろう。ソーソンは獣医師の夢をあきらめたため、何もない。リベラーチェから小遣いや生活費をもらって愛人のように生きている。いや、まさしく愛人なのだ。男同士であるため結婚もできないし子供も作れない。そのため、リベラーチェがある日突然ソーソンに「出て行け」と言った場合、抵抗することもできない。この不安定さはかなりストレスになりそう。

人によって幸せの状態は異なるから、他人がソーソンを不幸だったと断ずることはもちろんできないのだけど。自尊心が欠如した状態に見える。もっとも、働かなくてもお金がもらえてラッキー、という見方だってできる。うらやましい‥‥のか?

嫉妬心の強いリベラーチェの元で、ダイエットを強制され、他人に会うことを禁じられ、挙句の果てにリベラーチェに似せた整形まで勧められる。リベラーチェはなぜソーソンを整形しようとしたのだろう。ソーソンが自分そっくりに整形するということは、セックスするときは自分自身としている気分になってしまう。彼は自分しか愛してないということだったのか。

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リベラーチェは歳をとったソーソンを見限り、新しい愛人を手に入れる。ソーソンは捨てられてしまう。

もし、とてつもない財産と才能があった場合、次々に愛人を乗りかえていくことが幸せなのだろうか。誰かを深く傷つけてしまった思い出は自分の心も傷つけそうだけど、そうでもないのかなあ。なさそうだ。リベラーチェ、どんどん乗りかえてるし。次いくぞ次! の精神だ。

ただ、すべての男はリベラーチェの上を通り過ぎていっただけで、家族のような信頼関係は生まれなかったのだろう。豪邸のベッドでエイズによって死にゆくとき、彼は自分の人生をどう回想したのだろうか。幸せのあり方について考えさせられます。「自分が一番大切」というのが本当にいいことかどうかは難しい。リベラーチェの俗悪さ、身勝手さは確かなのだけど、それでもやはり「かわいそうな人」に見えてしまうんですよね。

マイケル・ダグラス、マット・デイモンという、男らしい役が多い二人ですが見事にゲイになってましたねえ。実にゲイゲイしかったですねえ。特殊メイクもすばらしい。ベッドシーンもありますので苦手という方は避けたほうがいいかも。得意な方は観たらいいじゃないか。おっさん同士がたくさんキスをしておりますよ‥‥。


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