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旧作映画の感想、ネタバレしてます。
19
2016

ガールズ&パンツァー 劇場版

2015年 / 日本 / 監督:水島努 / 学園
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思想なき戦い。
【あらすじ】
学校を廃校にさせないため、戦車で戦います。


【感想】
※あまり映画について触れていません。

TVアニメ「ガールズ&パンツァー」(全12話)を観てからのほうが人間関係がわかるかと思います。それと、戦車についてちょっと知っていると楽しめるかも。履帯とか避弾経始とか。オンラインゲームWoT(World of Tanks)をやっているとだいぶ違うような。ここからアニメに入った人も多いのではないでしょうか。わたしだ。

茶道や華道のように女子のたしなみとしての戦車道がある世界。戦車道とは、戦車を用いた模擬戦で武道のように競技化されたもの。この世界では戦車道はスポーツのようになっているので、選手が死んだりすることはありません。わりと無茶苦茶やってるんだけどなあ。スポ根ものに近い感覚。

美少女と戦車という、一見無茶な取り合わせを強引に詰め込んで成立させているのがすごいですね。

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出てくる女子高生たちも、なんだか浮世離れしている感じなんですよね。男がいっさい登場しないからでしょうか。タイトルのとおり「女の子と戦車」だけに絞り、他はいっさい無視したのが潔い。

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戦車(以外にも輸送機、空母などの兵器)の描写、細部へのこだわりがすごい。マニアの人は戦車が動くのを観ているだけでニヤニヤできるのではないか。

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ただ、滅茶苦茶な部分もある。ジェットコースターの上を戦車が走るとか、観覧車をあれやこれやしたりとか、砲撃を受けて戦車が転がっても誰も怪我をしないとか、戦いの最中に戦車から身を乗り出しているとか、最後の接射に至る過程もそうですが。

戦車自体はとても詳細な知識に基づきながら、物語を気持ちよく見せるためにあえて無視したリアリティのバランスが絶妙。都合が良いといってしまえばそうなんだけど、どこまでうまく現実を無視するかというのは重要なのだと思う。

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劇場版では、超大型のカール自走臼砲後期型も登場。音がすごいですね。しかし、これを戦車として認めていいものか。ずるい。

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風景や街並みも美しい。戦場となる大洗町が砲撃で破壊される場面は、実際に住んでいる人はどう思うのかなあ。大洗町役場は破壊されましたね。役場だと、誰かの家ってわけでもないから心おきなくぶっ壊せますね! 本当か。

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兵器を使った作品だと、どうしてもイデオロギー、歴史観という問題になりがちで、そういう主張が入ってくると楽しめなくなってくる。でも、この作品はまったくイデオロギーの問題を感じさせない。純粋に戦車が好きな人たちが作ったんだなという印象がある。あと美少女か。

戦車を好きということにも、どこか後ろめたいところがある。兵器ですからね。でも、日本刀、鎧、兜というのはまだ趣味として許されるようにも思える。銃はけっこう微妙なところがあるかもしれない。地雷、毒ガス、原爆となると完全に駄目だろうけども。

知り合いにナチスの軍服が好きな人がいた。彼はナチスがやったことには当然反対しており、軍服のデザインが純粋に好きなんですよね。こういうのも難しいですよね。軍服をネットにアップしたり、どこかに着て出かけることもなく、家の鏡の前で着替えて一人ニヤニヤするのが楽しいらしい。

ある日、いつものように軍服に着替えて鏡の前でポーズを取っていたら、鏡の中から彼を見つめる目に気づいたという。慌てて振り返ると、窓の隙間から小学生ぐらいの男の子が覗いている。彼はブルブルと首を振ると、ものすごい勢いで走り去ってしまった。「ぼくは何も見ていません!」ということだろう。完全に頭おかしい人だからな。狭い趣味の人は楽しむのも大変である。

そういうちょっと公にしがたいところを許容してくれるのが、こういったフィクションのありがたさでしょうか。日本だからこそ戦車を題材にした作品が作れるのかもしれない。アメリカやロシアなどは、兵器との距離があまりに近すぎる。

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ともあれ、スポ根ものとして楽しめました。プラウダ高校のカチューシャ(右)も活躍してましたね。カチューシャと会長が活躍していれば満足だ。日本陸軍をイメージさせる知波単学園は、なにかというとやたら突撃するので危うい。知波単が突撃しなければ、もっと楽に勝てたものを。

この、すぐに突撃するという設定も、陸軍の揶揄でしょうか。ギャグとして成立していますけども‥‥。あくまでフィクションということで、何も考えずに楽しめばいいのだと思います。最後の戦いも、セリフを省いて緊迫感を演出しており楽しめました。兵器が好きな人たちにひっそりとお薦めしたい作品ですね。

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