15
2016

破壊された男

파괴된 사나이 /2010年 / 韓国 / 監督:ウ・ミンホ / サスペンス
img414.jpg
【あらすじ】
娘が誘拐されてから8年たちました。


【感想】
韓国得意のサスペンス映画です。面白かったなあ。

神への強い信仰心を持っていた牧師のヨンス(キム・ミョンミン、右)。5歳の娘が誘拐され、犯人に身代金を渡したが娘は戻らなかった。神に祈りを捧げる日々も虚しく、ヨンスは信仰心を失っていく。妻ミンギョン(左)はあきらめずに娘を探すが、そんな妻を疎ましく思ってしまうヨンス。

1_20160714215547506.jpg

妻との間には溝ができ別居。牧師も辞めてしまう。妻はあきらめずに刑事の元を訪れ、娘を探し続けていた。かわいそうですが、刑事からもうるさがられている。長い時間がたったため、刑事も解決をあきらめている。

65.jpg

大きな不幸があったとき、人によって不幸との向き合い方は異なる。夫のヨンスのほうが冷たく映るかもしれませんが、誘拐事件から8年がたってますからねえ。娘が死亡していると考えても無理はないように思える。ヨンスはもう娘のことを蒸し返してほしくないのでしょう。とはいえ、娘のことを忘れられない妻の気持ちも当然。

aa_2016071421554830f.jpg

ヨンスは忠実な神のしもべ(上)から、会社の経営者(下)に転職。一気に荒みましたなあ!

a3.jpg

もう娘のことを考えないようにしていたヨンスだが、再び犯人から身代金要求の電話が入るのだった。

2_20160714215545293.jpg

脚本がとてもいいんですね。犯人の趣味である音響機器から、犯人を追い詰めていくところとか。刑事と犯人のやりとりも見応えがある。

7W5V0717.jpg

犯人の職場を訪れた刑事。この時点ではまだ犯人に気づいてない。犯人には口癖がある。言葉の頭に「とにかく」と付くことが多い。刑事との雑談中、犯人が「とにかくお金にはなりません」と口にする。

違和感を感じた刑事は8年前の記憶をたどり、脅迫電話の犯人の口癖と同じことに気づいて興奮する。そして、自分の興奮を鎮めるように、コーヒーを飲み干し「甘い!」と力強く言うんですね。この「甘い」は、コーヒーの甘さについてですが、尻尾を出した犯人の甘さについても掛けているのかもしれません。ここらへんは実に巧みですねえ。

ss).jpg

頭脳明晰、冷酷非道でかなりがんばる犯人でしたが、なぜかヨンスと刑事にとどめを刺さないという失敗を犯してしまう。詰めの甘さが命取りになった。よく反省してもらいたいです。もうちょっとで完全犯罪だったというのに。

7W5V4777.jpg

誘拐されて成長した娘。彼女とヨンスの面会場面はとても良かったですね。娘がヨンスに「(自分のことを)忘れたことはなかった? 一度も忘れずに捜してた?」と訊く。

一度も忘れずに捜してたのはヨンスではなく妻なんですよね。ヨンスは、しばらく逡巡して困ったような笑顔でうなづく。そのとき、左目から一筋涙が流れる。もうここ、たいへんすばらしいですよ。

娘のことをあきらめて捜さなかったと正直に打ち明ければ、自分の心は楽になるかもしれない。でも、それは娘を傷つけるだけである。ヨンスが流した涙は妻への贖罪の涙ではないか。地味で暗い話ですが、なかなか見応えのあるサスペンスでしたよ。


2016年6月29日~2016年7月28日の期間、GYAO!で無料配信しています。
関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment