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2016

草の上の仕事

1993年 / 日本 / 監督:篠原哲雄 / ドラマ
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ひたすら怒られる太田さん。田中さんの嬉しそうな顔が目に浮かぶ。
【あらすじ】
始まりから終わりまで、ずっと草刈りのバイト。


【感想】
「つむじ風食堂の夜」「木曜組曲」などの篠原哲雄監督のデビュー作。始めから終わりまでの42分間、草を刈っているだけという奇妙な作品なのです。いったい、どういうふうに観ればいいのでしょうか。

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出てくるのは二人だけ。芝刈りのバイトにやってきた無口な男(爆笑問題・太田光、左)、芝刈り職人(後藤直樹、右)。見渡す限りの草原に、タイプの違う人と二人っきり。きついわー。お互いにきついわー。

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研修を受けず、何もわからないまま現場に派遣されてきた太田さん。芝刈り機の使い方がわからず、ボーっと突っ立っている。芝刈り職人から「早く仕事しろよ。何やってんだよ。さぼんなよ!」と叱られる。職人は悪い人じゃないんですけど、気が短いんですよね。文学青年っぽい太田さんと、体育会系の職人というタイプの違い、相性の悪さが際立っています。

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叱られた太田さんのふてくされたような雰囲気が面白い。「ちょっと、その命令口調やめてくれませんか‥‥」と反発。本人そのままに見える。これ、太田光という無名の役者と見るか、爆諸問題の太田さんと見るかで、また作品が変わってくるように思える。

火曜深夜にやっている爆笑問題のラジオ「爆笑問題カーボーイ」では、太田さんが相方の田中さんを一方的にやり込めることが多い。太田さんはラジオでは常に強者なのだけど、この映画では職人から徹底的に駄目な人扱いを受ける。それが珍しい。

いつも田中さんを怒っているラジオとのギャップで面白いんですよねえ。だはははは、怒られてやんの、という。田中さんはこの映画をどう観たんだろう。怒られている太田さんが面白くて仕方なかったんじゃないでしょうか。「ざまあ!」っていう。

怒られ方も素の太田さんのように見えてしまう。限りなく無気力でふてくされているようだけど、悪気はなくて内気なだけなのだ。それにしても若いなあ。ちょっと少年のように見えることも。

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タイプは違うものの、お互いに少しずつ歩み寄っていく二人。それまでは、開かれた草原に居つつも、逃げ場のない密室のような重苦しい雰囲気だった。でも、打ち解けてきて少しだけ呼吸が楽になる感じ。本当に短期バイト初日にありそうな光景ですよ。お互いの年齢を言い合ったら、先輩のほうが年下だったり。敬語をどうするか微妙な感じになるが、先輩のほうが仕事はできるんで結局そのままとか。

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急にゲイゲイしい展開になりドキッとしますが、そんな展開にはならなかった。なんでこの場面を入れたんだろう。どこからの需要が‥‥。需要ある?

最後まで観ても、何を撮りたいのかがわかりませんでした。初対面の二人がしだいに打ち解けていくリアルさなのか。リアルでも面白くなければ仕方ないと思うが、そもそも面白さなど追求してないのだろうか。人が打ち解けていく、人間関係構築の過程を撮ったとして、そこにどんな意味があるのかわからなかった。

草を刈るという、手を右から左、左から右へ動かす機械的な反復動作。それが何かを示しているのでしょうか。わたしにはわからなかったけど何か意味があるような気もします。序盤、太田さんがとにかく怒られますので、田中さんファンの方にお薦め。ふだん、怒られない人が怒られるのは楽しいなあ。

 
2016年7月13日~2016年8月12日の期間、GYAO!で無料配信しています。
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